フランチャイズ本部を構築し、多店舗展開する方法

 

フランチャイズビジネスは、成長戦略の一つとして注目されていますが、その成功の鍵は、しっかりとしたフランチャイズ本部の構築にあります。

 

この記事では、これからご自身のビジネスを、更に拡大しようと考えている事業者の方向けに、フランチャイズ本部構築のポイントや成功要因を詳しく解説し、どのように展開するかから、サービスやシステムの導入、加盟店募集、マニュアル作成、研修制度や教育体制の構築まで、具体的な内容をご紹介します。

 

また、自社ですべてを構築するのではなく、フランチャイズ本部構築会社を利用してフランチャイズビジネスを構築することを検討されている方向けに、支援会社選びの際の確認ポイントや成功するフランチャイズ本部構築に必要な要素を探ります。

 

1.フランチャイズ本部構築のポイントと成功要因

 

フランチャイズ本部構築において、重要なポイントは以下の通りです。

 

– しっかりと収益化できる、適切なビジネスモデルの開発

– 実績あるマニュアルと研修制度の整備

– 効果的な加盟店サポート体制の構築

 

成功要因としては、まず適切なビジネスモデルを開発することが欠かせません。具体的な事業内容や戦略を明確にし、将来性が見込まれるビジネスを構築することが重要です。

 

社会の変化に伴い新たなビジネスチャンスが生まれ続けていますので、今後発展する可能性のある分野での事業展開を検討します。

 

次に、実績あるマニュアルと研修制度を整備することで、加盟店が円滑な運営ができるよう支援します。加盟店は本部によるマニュアル提供により、短期間で店舗オペレーションをと整え、運営することができます。

 

効果的な加盟店サポート体制を構築することで、加盟店の問題解決や業務改善を促進し、ブランド全体の事業成長に貢献します。

 

 

・フランチャイズビジネスの基本概要と展開方法

 

フランチャイズビジネスは、一つの成功したビジネスモデルを元に、他の企業や個人がそのノウハウを利用し、独立して同じビジネスを展開するシステムです。

 

展開方法としては、まず本部が自社のビジネスモデルを確立し、そのノウハウを加盟店に提供します。自社において複数店舗を展開し、オーナーがいなくても日々の運営が成り立つ状態まで仕組み化してから、そのノウハウを加盟店向けにマニュアル化していくという形です。

 

次に、加盟店はそのノウハウを元に独自の店舗を開業し、本部と連携しながら運営に取り組みます。本部は加盟店に対して継続的なサポートを行い、その成果をもとに全体のビジネス展開を進めます。

 

2.本部構築に必要なサービスとシステムの導入

 

本部構築において、必要なサービスとシステムは様々なものがありますが、代表的な取り組みとしては以下のものがあります。

 

– コンサルティングサービス

– マニュアル作成システム

– 研修プログラムの開発

– 加盟店情報管理システム

 

これらのサービスやシステムを導入すること、各種マニュアルを作成する事で、効率的かつ円滑な本部運営が可能となります。また、これらは加盟店の運営をサポートするためにも必要不可欠であり、本部の機能を強化することが成功のカギとなります。以下、ひとつずつ確認していきます。

 

・コンサルティングサービス

 

加盟店は参入するビジネスについて十分な知識を持たず、本部からのアドバイス、ノウハウが継続的に受けられることを前提条件としてビジネスに加入します。加盟店が直面する課題は、開業当初は店舗立ち上げに関係する定型的なアドバイスが中心となりますが、店舗経営が軌道に乗ると次第に長期的な取り組みかつ、非定型のアドバイスが求められるようになります。

 

例えば従業員の定着率アップ、マネージャークラスの育成指導方法、顧客構築手段、ポータルサイトに頼らない集客方法、複数店舗の出店相談、資金繰り、トラブル解決など、店舗ごとに事情が異なる課題が多岐にわたって発生しますので、その状況を解決するためのコンサルティングが常に求められます。フランチャイズ加盟店が増えていけは、加盟店同士の実力差も広がってきますので、幅広い課題に解決できるように十分なフォロー体制を整える必要があります。

 

・マニュアル作成システム

 

フランチャイズシステムにおいては、業務がマニュアル化できることが前提となっています。特定の誰かの能力に頼らなければ経営が成り立たないのであれば、その事業はフランチャイズに適したビジネスモデルではありません。

 

例えば、技術力が高いカリスマ美容師が複数在籍していることが売りとなっている美容院は、そのカリスマ美容師の在籍がオーナーの求心力によって成り立っている場合が多いでしょう。立地も都心の一等地に構えることが条件となります。ロールモデルとなるオーナー美容師が存在しなければ、カリスマ美容師はついてきません。

 

一方で、格安カットや髪質改善、個室空間などコンセプトで集客できる美容院であれば、再現性のある事業となりますので、フランチャイズ化することが可能です。

 

再現性があるビジネスモデルというのは、誰が経営しても一定の効果が出るようなマニュアルが欠かせません。マニュアルをみながら加盟店が事業を進めていけば自然とビジネスができていくようなマニュアルを細かく作ることが加盟店の大きなサポートとなります。

 

・研修プログラムの開発

 

フランチャイズビジネスでは、加盟店が十分なトレーニングプログラムを受講できる体制も大切です。店舗を運営する責任者向けの研修プログラムや一般スタッフ向けのプログラムを用意すること、各店舗オーナー向けの研修プログラムの構築で、加盟店はスムーズに事業を行うことができます。

 

・加盟店情報管理システム

 

加盟店情報管理システムとは、加盟店の事業運営状況を把握するためのシステムです。加盟店の状況を把握するためには、SVによる加盟店への定期巡回も大切ですが、日々の売上状況・集客状況を把握するためには、専用の加盟店情報管理システムが必要となります。

 

定期的に状況を確認することで、店舗経営状況を把握し、適切なアドバイスが加盟店にできるようになります。

 

3.加盟店募集の戦略とコツ：広告から選定まで

 

加盟店募集における戦略とコツは、適切な広告戦略の立案と、単独店舗にとどまらず複数店舗を経営するポテンシャルのある応募者の選定です。まず、広告はターゲット層に合ったメディアを選び、メリットデメリットを含めた、事実に基づいた魅力的な内容を伝えることが重要です。

 

次に、応募者の選定では、ビジネスモデルに対する理解や熱意があることを確認し、適性が高い人材を選ぶことが求められます。加盟店オーナーが自ら従業員的な業務をこなすタイプのフランチャイズと、経営に特化したタイプのフランチャイズでは適性が異なります。

 

自分が現場に入って働きたいというタイプの生業型の経営者なのか、経営に特化することが得意な経営者なのか特性を見極めます。

 

こうした戦略とコツを踏まえ、適切な方法で加盟希望者を募集することが、ブランド拡大の成功に繋がります。

 

4.マニュアル作成のポイントとノウハウの活用

 

マニュアル作成のポイントは、明確な目的設定、簡潔でわかりやすい表現、適切なフォーマットの使用、社内のフィードバックを取り入れることです。

 

具体的なマニュアル作成方法としては次のような手順があります。

 

-ターゲットとなる読者の特定

-必要な情報の整理・選別

-章立てや項目の構成

-図解やイラストの活用

-動画の活用

 

・ターゲットとなる読者の特定

スタッフ向けのマニュアルと一口にいっても、その内容は様々なものがあります。店長クラスのスタッフか、新入社員かでも内容は異なるでしょう。表現のわかりやすさ、求める水準等をわかりやすく区別する、といった工夫が求められます。

 

・必要な情報の整理・選別

業務において必要な情報をすべてマニュアルに記載したくなりますが、業務のすべてをマニュアルに記載することはできません。複雑なマニュアルをいきなり加盟店がすべてマスターすることは難しいものです。仕事のうち、加盟店が業務で反復継続して習得すべき事項ことについて、確実にできるように必要な情報を整理する必要があります。

 

・章立てや項目の構成

業務マニュアルは一度読んで終わりではなく何度も読み返して、読まなくても業務が支障なくできるようにするまで、利用するものです。その際に、わからなくなった項目を確認する章立てや項目が適切に構成されていると、従業員が情報を探す時間が減少し、ひいては生産性の向上につながります。

 

・図解やイラストの活用

文字情報は正確な情報を伝えることができますが、反面わかりにくい傾向にあります。業務上の動作をわかりやすく図解したもの、イラストで順番に読めば理解できるものを作成することで、従業員がだれでも理解できるマニュアルが出来上がります。マニュアルを作成するのは手間がかかるものですが、特に図解やイラストを挿入することは文字だけのマニュアルよりも従業員教育のために有効なマニュアルとなります。

 

・動画の活用

昨今では動画でのマニュアル導入を検討する企業も増えています。動画撮影が専門の機具なしにできるようになってきたこと、編集ソフトを用いれば経験が浅い人でも動画編集ができるようになってきたため、動画を利用して業務マニュアルを作成しているのです。動画によりマニュアルは短時間で多くの情報を伝えることができること、少しの空き時間で見ることができるため、動画によるマニュアル制作も検討してみるべきでしょう。

 

また、継続的な改善とアップデートが重要なポイントです。 ノウハウの活用については、他社の成功事例や専門家の意見を参考にし、自社の状況やニーズに合わせてカスタマイズすることが望ましいです。

 

5.効果的な研修制度と教育体制の構築

 

効果的な研修制度を構築するためには、まず研修の目的と目標を明確に設定します。その上で、従業員一人ひとりのニーズやレベルに応じたカリキュラムや教材を用意し、講師陣を選定することが大切です。

 

また、研修の効果を最大限に引き出すために、次のような教育体制が欠かせません。

 

-継続的なスキルアップやキャリアサポート

-定期的な評価とフィードバック

-自主研修やオンライン学習の推奨

-従業員同士の情報交換やネットワーキングを促す仕組み

 

・継続的なスキルアップやキャリアサポート

研修の効果は、その日だけではなく長期的に従業員の能力向上につながらなければ意味がありません。業務同様に従業員に対して継続的に研修を受講してもらい能力開発を続けるという姿勢を示すことで、研修に対する取り組み方も変わってくるでしょう。

 

また継続的・階層別の研修プログラムを設定することで、従業員の成長に合わせて効果的な能力開発を促すことが可能になります。対面型研修やオンライン研修など業態に合わせた研修プログラムを策定しましょう。

 

・定期的な評価とフィードバック

研修の結果、どのような成果が出たのか、研修でどのような能力向上が見込めるのかを把握しながら研修を従業員に受講してもらうことで、研修の効果が向上することが期待できます。公正な評価を行うためには、どのレベルをクリアしたらどの評価になるのかという点について、あらかじめ従業員と認識を合わせることが大切となります。

 

・自主研修やオンライン学習の推奨

研修の効果は、自主研修の機会などで復習することにより確固たるものになります。リラクゼーション業でいえば、集合研修で学んだ内容を何度も店舗において復習することでより早く実際に自分たちのサービスとして体得することができます。

研修した成果が実際の業務に使えるような形にすることで、従業員が研修の内容を早く習得したいという気持ちにつながります。また、オンライン学習によって、隙間時間に学習することができますので、研修コンテンツとしてオンライン教材を用意することも研修効率の向上につながるでしょう。

 

これらの取り組みを通じて、従業員が自ら成長意欲を持ち、企業全体の生産性や業績向上につながる研修制度と教育体制を構築できます。

 

 

 

6.フランチャイズ本部構築支援会社の選び方と比較ポイント

 

支援会社を選ぶ際のポイントは、実績や評判、提供サービスの内容、料金プラン、顧客対応などです。具体的には以下のような比較を行います。

 

-同業種や業態に対する支援実績の有無

-サポート内容の充実度と網羅性

-料金プランの適正性と透明性

-アフターサポートやフォローアップの充実度

 

・同業種や業態に対する支援実績の有無

 

同業種や同業態において、フランチャイズ本部構築支援実績があれば、自社のサービスについてもスケールアップしてくれるイメージが付きやすいでしょう。居酒屋業態であればこれまでに居酒屋業態をどれだけ支援してきたか、は確認したいポイントです。

フランチャイズ本部支援は本部というコンサルティング機能に対する、コンサルティング事業なのですが、本部が力を入れるべきコンサルティングの内容はやはり業態によって異なります。これまで経験してきたことがある業態のほうがきめ細やかな本部へのコンサルティングができます。

 

・サポート内容の充実度と網羅性

 

契約に先立って、フランチャイズ本部構築支援会社がどのようなサービスを提供してくれるのかについての詳細な説明があり、また顧客によってカスタマイズ可能かどうかについて確認したほうがいいでしょう。一口に支援といっても、どのくらいサポートを利用するのかは事業会社によって異なるところであり、またプランが分かれているということはそれだけサービスの範囲を確定させて、支援業者としてやるべき業務を把握しているということでもあります。

 

・アフターサポートやフォローアップの充実度

 

フランチャイズ本部構築支援は、短期間で終了するプロジェクトではなく、フランチャイズネットワークの拡大に合わせて継続的に支援が必要となります。数店舗の段階で求められる支援と、数十店舗クラスになってきた場合の本部の支援体制は異なるでしょう。

 

初期の段階では、加盟店希望者の数が少ないのでフランチャイズ本部対応は本部の社長が主導して対応することになりますが、加盟店が増えてくると日々のフォローを本部の社長だけでは担いきることができなくなるため、本部においてもスタッフを増強する必要があるでしょう。つまり、本部側においても、加盟店の増加に伴ってフォローアップ体制を着実に増やしていかなければ加盟店を増やすことができないのです。

 

現に急成長するフランチャイズでは加盟希望者が殺到するものの、本部のサポート体制が整っておらず、支援体制が整うまで加盟を一時停止するという場合もあるのです。

 

初期の段階では加盟エリアが十分にありますので、エリア争いは発生しませんが、近接した地域で開業する加盟店が増加してくればその利害調整も含まれてきます。

 

また、直接相談や無料診断を受けることで、その会社の対応や提案が自社の課題解決に役立つかどうかを確認することも有益です。

 

・コンサルティング業者とサポート内容の違い

 

コンサルティング業者とサポート内容の違いは、対象分野や支援範囲、手法やアプローチ、料金体系などがあります。

例えば、あるコンサルティング業者は経営課題全般に対応する一方、別の業者は特定の業種や機能に特化してサービスを提供する場合があります。

また、コンサルティング業者によっては、戦略立案や組織改革だけでなく、具体的な施策の実行支援や人材育成を行うこともあります。

 

料金体系に関しては、固定費や成功報酬、プロジェクト単位など様々です。

これらの違いを把握し、自社のニーズや予算に合ったコンサルティング業者を選ぶことが重要です。

 

・各社の事業実績と評判：顧客満足度から見る

 

事業実績と評判は、顧客満足度が高いほど企業の信頼性が増します。顧客満足度を高める要因として、高品質なサービスの提供、適切な価格設定、迅速で丁寧な対応が挙げられます。

 

各社の事業実績を比較する際、比較サイトにおいて顧客の口コミやレビューを確認し、どのようなサービスが評価されているかを把握することが重要です。また、業界内での受賞歴や、メディアへの取り上げも企業の評判を判断する材料となります。

 

もちろんネットの情報は参考になるものの、最終的には、実際にコンサルティング会社の担当者との面談を行い、プレゼンテーションを確認してどの業者に依頼するかを決めることが大切です。

 

・相談から契約までの手続きと費用の確認

 

コンサルティング相談から契約までの手続きと費用は、明確かつスムーズに進めることが求められます。事前に必要書類や費用を確認し、手続きを円滑に進めるための準備を整えましょう。

 

また、費用については、明確な内訳を把握し、納得できる価格であるかどうかを検討することが大切です。どの会社も無料相談や見積り提出を求めることが可能ですから、契約前の無料相談を利用して、疑問点や不安要素を解消しておくことが望ましいです。

本部構築支援会社としても、顧客であるフランチャイズ本部からの要望がはっきり決まっていたほうが、費用が安くなります。要望があいまいであれば、確実に必要となることだけを盛り込んだ安いブランか、または追加で依頼が発生した場合に備えた金額が多い見積が出てくる可能性があります。

 

フランチャイズ本部を構築する場合には、どの方針で事業拡大をめざすのか、どこまでサポートしてもらうのかをなるべく事前に固めるほうが、本部支援構築サポート会社の支援を受けやすくなるでしょう。

 

・日本のフランチャイズ業界での実績と経験

 

日本のフランチャイズ業界での実績と経験は、企業の信頼性やビジネスモデルの妥当性を示す指標となります。成功したフランチャイズ展開の事例や、加盟店の継続的な成長を実現している企業は、他社との差別化に効果的です。

 

また、業界内での地位や影響力を持つ企業は、新規開業や加盟店のサポートにおいても高い実績を誇っていることが多いため、フランチャイズ業界での実績と経験を考慮して企業を選定することが重要です。

 

・今後の成長戦略と相互連携の可能性

 

今後の成長戦略と相互連携の可能性は、フランチャイズ本部と加盟店との協力体制を構築する上で大切な要素です。本部が持つビジョンや戦略が明確であれば、加盟店もその方向性に沿って取り組むことが容易になります。

 

また、本部と加盟店が相互に連携し、情報共有や助言などを行いながら事業を展開することで、より効果的なビジネスモデルを構築することが可能となります。

 

 

７.直営店からフランチャイズ展開への転換

 

事業会社のなかには、最初から加盟店を募集して、加盟店が店舗開発をするのではなく、直営店としてこれまで築き上げてきた店舗網を加盟店に売却することで加盟を促す事例もあります。

 

直営からフランチャイズ展開への転換は、事業の拡大やリスク分散を図る方法の一つです。直営店の運営ノウハウをフランチャイズモデルに適用し、加盟店を開設することができますし、事業を加盟店に売却する際に、加盟金よりも多額の売却代金をのれん代として本部は得ることができます。

加盟店は一店舗目が黒字であれば、資金調達を行って2店舗目・3店舗目とビジネスエリアを広げていきます。そして、加盟店の事業展開スピードは直営展開よりもフランチャイズ方式のほうが早いため、フランチャイズグループとしての企業価値は高まるのです。

 

また、転換を行うことで、フランチャイズ本部そのものはコンサルティングが主力事業となりますので、運営コストを削減できることに加え、収益性が向上します。

このように直営店舗からフランチャイズ展開に切り替えることはブランド力の向上や顧客基盤の拡大を図れることから、多くの企業がフランチャイズ展開を選択しています。

 

しかし、直営店からフランチャイズへの転換には様々な課題が伴います。例えば、FC本部の構築や加盟店との契約方法、マニュアル作成、教育研修など、直営店運営とは異なる業務が発生します。

例えば、直営店舗であれば指揮命令権が本部にありますので、すべての店舗に対して業務命令を発してサービスレベルの統一を行うことができますが、フランチャイズ方式では、それぞれの店舗が独立した店舗であり、本部の指導はできるものの、それにすべて従う義務はありません。

これらの課題に対処するためには、本部の施策が加盟店にとって合理的であることを十分に説明する、信頼関係を作るという地道な準備と努力が必要です。十

 

・新規展開ブランドの本部構築と経営ノウハウ

 

新規展開ブランドの本部構築には、綿密な計画と経営ノウハウが求められます。ます、ブランドの戦略やビジョンを明確にし、加盟店に提供する価値を考えることが重要です。

 

端的に言えば、「加盟店にいかに利益を上げてもらえるか」ということになります。

勘違いされるところですが、本部が儲かるだけでは、加盟店の数は大きく増えません。すでにフランチャイズ方式を採用した時点で、直営方式よりも利益の幅は少なくなることが決まっています。加盟店が思わず複数店舗を出店したくなるようなメリットがあれば結果として本部の利益も増えていきます。このことを頭に入れながら事業展開をすすめていきます。

 

次に、適切な運営システムを構築し、加盟店が円滑に業務を行えるようサポートします。さらに、ブランド力を維持・向上させるため、マーケティング戦略の策定や広告活動も不可欠です。これらの取り組みにより、新規展開ブランドを成功へと導びくことができるでしょう。

 

・事業拡大を支える人材採用と育成

 

事業拡大を支える人材採用と育成は、フランチャイズ展開の要となります。フランチャイズ形式では、加盟店は独立した会社ではあるものの、顧客獲得・営業補助・マーケティングや競合分析・購買・システム構築・求人集客補助・ブランディングなどの機能については本部が加盟店に代わってその役割を担う関係にあります。

 

こういった趣旨を理解している適切な人材を採用し、教育・研修を通じてフランチャイズのビジネスモデルや運営方法を理解させることが大切です。

また、経験豊富なコンサルタントや専門家を活用し、独自の教育プログラムを開発することで、加盟店の運営力を向上させることが期待できます。こうした人材育成の取り組みが、事業拡大において重要な役割を果たします。

 

・フランチャイズ加盟店の営業力向上策

 

フランチャイズ加盟店の営業力を向上させるためには、売上向上やコスト削減などの具体的な施策が必要です。これには、最新のマーケティング手法を取り入れた宣伝活動や、効率的な在庫管理・経理システムの導入が挙げられます。一つの店舗で行う場合には、費用対効果の観点から導入することができない施策も、加盟店が増えれば増えるほど大規模な施策を効率的に行うことができるようになります。

 

例えばテレビCMなどは小さい店舗ではとても予算が出せませんが、加盟店が何百とあるフランチャイズ店舗であれば様々なCMを打つことが可能です。

マクドナルドのCMは高齢でしょう。季節に合ったCM、見ている階層に合ったCM、新商品を紹介するCMなどバラエティ豊富なCMを大量に放送することで、消費者が店舗に来る理由を作っています。

また、効果的なトレーニングや研修プログラムを実施し、スタッフのスキルアップを図ることも重要です。より効果的な営業力向上策の実行により、加盟店全体が成長を続けることができます。

 

フランチャイズビジネスは基本的に店舗ビジネスであり、リピーター商売です。本部がCM、新商品発売、クーポン戦略などを展開して新規集客や既存顧客の掘り起こしをしたとしても、結局のところ加盟店それぞれの営業努力がなければ再来にはつながりません。

本部と同じクオリティの商品・サービスを、加盟店が提供できるようになって、はじめて営業力が強化されたといえるのです。そのためには、加盟店において地道なスキルアップを促すような取り組みをSVから継続的に伝えていくことも効果的でしょう。

 

８.フランチャイズ本部構築支援はヴィラにご相談ください

 

フランチャイズ本部構築は、直営店からの転換や新規展開ブランドの本部構築、人材採用・育成、加盟店の営業力向上策など、様々な要素が組み込まれています。

 

これらの取り組みを成功させるためには、具体的な戦略やノウハウを持ち、効果的な施策を実行することが重要です。

 

事業会社自身がすべての項目についてフランチャイズ本部として機能を構築していくことも可能ではありますが、スピーディな事業展開という部分を意識した場合にはどうしても経験がない分試行錯誤が増え、事業拡大のペースが遅くなります。この場合、本稿で記載した内容を参考にしながら、フランチャイズ本部支援構築会社のサポートを受け、素早い事業展開を目指すのも得策です。

 

確かに外部業者への委託は、それなりの費用が掛かりますが、フランチャイズ方式による事業拡大の速度がその分遅くなれば、売上の成長率も下がりますので、外部コンサルティングに支払う金額の何倍ものお金を潜在的に失っているとも考えられます。

 

株式会社ヴィラは、リラクゼーションサロン業界において、現在進行形で250店舗以上のフランチャイズ店舗経営を本部として経営しております。これからフランチャイズ本部構築を検討されている方が直面する課題について現在進行形で問題を解決しながら事業を拡大しています。